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〜敵を知り攻略しよう〜CBT・OSCEを徹底解剖

はじめに

いつもご覧いただきありがとうございます。某国公立大学医学部に通う6年のスチューデントドクターSと申します。今回は全国の医学部4年生が受験するCBTとOSCE(オスキー)についてのお話しです。CBTとOSCEは付け焼き刃的な勉強では絶対に合格できない試験となっています。今年受験を控えている4年生はもちろん、数年後に受験することになる1.2.3年生の皆さんにも知っていただきたい内容になるので、ぜひ最後までご覧ください。

医学部4年生が受験するCBTとOSCE(オスキー)について

まずは「CBTとOSCEについて聞いたことはあるけど、具体的にどういう試験なのかは分からない」という方のために、CBTとOSCEとは何かを説明します。

CBTはComputer-Based-Testの略で、コンピュータ上で問題を解き、参加型臨床実習を始める前に十分な医学的知識を習得しているかを評価する試験です。プールされた問題から受験生ごとに異なる試験問題をランダムで出題し、受験生の能力を評価するIRT標準スコアが点数となります。
出題数は320問で、1ブロック60分のテストを全6ブロック、1日で行います。ブロック1から4までは単純5選択肢択一形式60設問、ブロック5は多選択肢択一形式40設問(鑑別診断)、ブロック6は順次解答4連問5選択肢択一形式40設問(臨床推論)となっています。出題範囲は基礎医学、臨床医学、公衆衛生など多岐に渡り、特にブロック6は4連問形式という一度解答すると前の問題に戻ることができないという独特な形式となっております。幅広い試験範囲をカバーし、なおかつ独特な試験方式にも慣れていく必要がある試験となっています。

一方、OSCEは診療参加型臨床実習を行う医学生が、臨床実習で医行為を許容できる能力を有することを社会に保障するために行われ、外部評価者によって技能や態度といった客観的臨床能力を評価する試験となっています。
医療面接、頭頚部診察、胸部診察、腹部診察/全身状態とバイタルサイン、神経診察、救急/基本手技といった課題を行うための試験室が用意され、受験者は一定時間ごとに部屋を移動していき、各部屋に示されている課題に5〜10分で取り組みます。各部屋には課題を実施するための模擬患者やシュミレータが置かれており、評価者によって採点が行われます。実際に評価者に見られながら人に対して診察するということもあり、中には頭が真っ白になって何もできなくなってしまう学生もいるため、事前の診察練習が重要となる試験となっています。

CBTとOSCEがどんな試験か知っていただいたところで、どのような勉強をすれば合格することができるのかについてお話ししていきます。

絶対読んでほしい!講師によるCBTの勉強法

まずはCBTの勉強法からお伝えします。どんな教材を利用するかというところから始まると思いますが、ひとまず過去問は必ず用意しましょう。クエスチョンバンク(QB)やモントレなどが有名です。病気がみえると連動したい場合にはQB、無料で使いたい場合にはモントレといった具合に選んでもらえれば大丈夫です。そして過去問を用意した後は、皆さん一人一人に合った勉強法が必要になってきます。いくつか例をあげると、学校の授業では知識が不十分であると感じた時には映像講義を購入して簡単な知識から学んでいったり、紙での勉強を好む人は病気がみえるなどの参考書を用いて知識を入れていったり、あるいは過去問をひたすら解いて抜け落ちている知識を埋めていったりします。それではどういった勉強法があっているのかという話になりますが、これからお話しする4点を常に頭に入れた上で勉強していくことが重要になります。

まず1点目はCBTまでの残り日数から逆算してどれだけの時間が残されているのかをしっかり把握することです。早くから勉強を始めるに越したことはありませんが、どうしても勉強を始めるのが遅くなってしまう人がいるのが事実です。そんな人が一から映像講義を見始めて、全て見終わった後に過去問を始めてしまうと、直前なのに全範囲の過去問が解けていないということになりかねません。そのため勉強を始める際にどれだけの時間を勉強に当てることができるのかを計算し、時間があれば映像講義や参考者などで知識をしっかり復習した上で問題演習に臨み、もしない場合にはまずは過去問を解き、間違えた問題を一つづつ確認していくことを行えば、少なくとも間違った勉強法をすることにはならないでしょう。

2点目はなるべく早く過去問を一周し全体像を掴み、幅広い出題範囲を何度も復習できるようにすることです。CBTの範囲は非常に膨大です。早い段階で全範囲を一周することで、それまでの勉強方法の見直しができ、この勉強方法の見直しが高得点への鍵になります。早い段階で一周するためには、過去問を全て解くのではなく、重要な問題に厳選された一周目問題のみを解くことをおすすめします。この一周目問題を骨格として、全ての問題を解くことで知識を肉付けしていくイメージを持ちましょう。また一度解いた科目の復習が何ヶ月後なんてことにならないように、忘却曲線を意識して復習のサイクルを早めることも重要です。

3点目は暗記するだけではなく、なぜその答えになるかを理論的に説明できるようにすることです。 非常に範囲が多いですが、病態や機序を根本から理解することで暗記に必要な量は少なくなり、応用力もついていきます。私自身も初めは、この病気はこういう症状が出るという一対一対応の暗記をしていたのですが、模試などで少し捻られると分からなくなったという経験があります。この病気はこういう病態だからこの症状が出るという感じで、少しでも暗記する量を減らすために根本から理解するように心がけることが大切になります。

4点目は出題範囲を考えて効率よく得点することです。勉強にかけた時間がどれだけの得点につながるかを考えることも一つの戦略です。特にCBTでは臨床問題の出題頻度が高いため、まずは臨床問題から勉強を始めていきましょう。また公衆衛生といった暗記項目が多い分野は直前期にしっかりと詰め込むことで、試験までに忘れてしまうということがなくなります。大学受験で例えるならば社会と同じです。

OSCE突破に必要な3つのポイント

さて次にOSCEの勉強法です。OSCEはCBTほど時間をかける必要のある試験ではありませんが、最低でも2週間程度はしっかりと対策を行う必要がある試験であると思います。OSCEは次の3点を意識して対策を行いましょう。

1点目は共用試験実施評価機構が出す学習・評価項目の資料と動画にしっかり目を通すことです。学校から機構からの資料と動画が配布されると思います。資料には診察のやり方と見るべきポイントが詳細に書かれており、それが評価の項目になります。それを見ながらDVDに目を通して、実際にどのような診察を行うのかをまず理解しましょう。お手本を見ないまま、我流で練習してしまうことは絶対にあってはなりません。

2点目は友達や家族に協力してもらい、実際に診察の練習を行うことです。お手本を学んだ後には、ひたすら練習あるのみです。実際に人に診察をしてみると、思った以上に何をすればいいかが分からなくなります。最初は全ての項目を練習して、慣れてきたら本番を想定して問題を出してもらい、その診察を行なってみることをおすすめします。

3点目は何度も反復して練習を行い、本番で時間切れにならないようなスムーズな診察をできるようにすることです。実際の試験は医療面接が10分、他の課題が5分と非常に短くなっています。2点目と被る部分もありますが、制限時間を意識して練習することも本番で焦らずに行うために必要になります。

まとめ

今回はCBT、OSCEについてお話ししました。CBTとOSCEは4年生にとっての難関となる試験となりますが、正しく勉強をしていれば合格できる試験です。ぜひ今回のコラムを参考に勉強を頑張り、患者さんから多くのことを学ばせていただける臨床実習に参加してくださいね。それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

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